
No.031『ダットサン1号』
発表年:1973年
原画ボードサイズ:182×256mm
モデルとなった実車は、ダットサン第1号車です。日産自動車の前身である、国産自動車メーカー、ダット自動車製造が開発した小型車ダットサン10型。
当時の法律で運転免許が無くても運転できるよう、車体の全長は2.71mで排気量495cc10馬力のエンジンを搭載したモデルです。
ダットサンの名前のルーツは、ダット自動車製造の母体である快進社が1914年に開発したDAT号。DATは快進社の出資者3人の頭文字と、俊敏さを表す「脱兎(だっと)」という言葉をかけて名づけられ、車名はDATの息子という意味を持つ「DATSON(ダットソン)」に決まりました。
DATの意味は後に、Durable(耐久性がある)Attractive(魅力的な)Trustworthy(信頼できる)に改められ、さらにDATSONのSONが日本語の“損”に通じるから縁起が悪いという声が多かったことから、1932年にSONを太陽のSUNに変えて「DATSUN(ダットサン)」としたそうです。
作品は、ダット自動車製造ダットサン第1号車が描かれています。T型フォードのデザインを手本にしており、流れるようなフェンダーラインの美しい曲線が特徴的です。
現在の軽自動車より小さい全長およそ2.7m、車幅はわずか1.2m弱で、当時の道路事情に合うように小型車として、車の黎明期に製造された姿が描かれています。