
作品No.053
作品名:セリカ LB2000GT
発表年:1974年
原画ボードサイズ:255×364mm
モデルとなった実車はセリカです。
A20/A30型系1973年4月に販売された初代セリカ2000GTのリフトバックで、通称「ダルマセリカ」または「ダルマ」と呼ばれています。リフトバックとは、開口するテールゲートのことで、トヨタ独自の呼称です。その由来は、当時としては珍しく、ボディがダルマのようにふくよかであるためです。
また、スラントノーズのフロント部を正面から見ると、ラップアラウンドタイプのメッキバンパーがダルマのひげ面に見えると言われています。
セリカという車名は、スペイン語の形容詞で『天上の、聖なる、神々しい』という意味を持っています。
セリカLB2000GTは、標準モデルからヘッドランプの間隔を70mm開けたことでワイドなイメージを持ち、全高を20mm低くし、フェンダー部分も20mmの張り出しを持たせることで、ワイド&ローなプロポーションが強調されています。
ロングノーズ&ショートデッキスタイルは、日本ではやや斬新すぎる印象がありましたが、アメリカでは“むしろちょうどいい派手さ”として歓迎されました。
若者向けに明確に振り切った設計と、手の届く価格帯、そして燃費の良さ。トヨタはこのモデルで、北米でのブランドイメージを大きく塗り替えようとしていたのです。セリカLBは「スタイルで勝負できる日本車」という新しい可能性を示した、極めて戦略的な1台でした。
作品は、セリカLB2000GT。シビリアン・パープルメタリックのボディカラーで仕上げられ、ボンネットやボディサイドには美しい光のグラデーションが施されています。
ボンネットやリアサイドピラーのルーバーが際立っており、フロントグリルにある『GT』エンブレムはスポーツタイプのGTグレードにふさわしい迫力を持っています。また、ドア下にはGT2000のロゴが入ったサイドストライプがアクセントとなっています。